今日隣町の駅前に立ったとき、急に胸の奥がざわっとしまして。
どこか懐かしい、でもすぐには思い出せない感覚。風の向きとか、信号の音とか、そういう小さな要素がいくつも重なって、「あ、ここで買ったんだ」と思い出すまでに少し時間がかかりました。
あの日、予約していなかった本が発売日にどこへ行っても売り切れで、半ば諦め気味にこの駅で降りたんです。目的もなく歩いていたら、駅の真正面にぽつんとある書店の前で立ち止まりました。
ガラス越しに見えた平積みの表紙。
信じられないくらい、運が良かった。
レジでお金を払うとき、店員さんが「発売日なのにもう残りわずかなんですよ」と言ってくれて、その瞬間、なんだか自分の行動が正解だったような気がして少し照れましたね。
あのときの私は、ネットでの予約が面倒で後回しにしてしまったんです。
でもまさかそれがこんなドラマみたいな結果になるとは。いま思えば、偶然と行動力のあいだにある“ほんの一歩”が、思い出になることってあるんですよね。
今日、その書店の前を通ってみたら、看板の色が少し薄れていて、入り口の位置も変わっていました。
時の流れを感じる一方で、まだ残っているのが嬉しくて、軽く会釈してしまいましたよ。職業柄、本の予約や在庫の動きをよく見るようになった今、あのときの“運任せの成功体験”がどれだけ珍しかったか、やっとわかります。
オンラインでも情報をしっかり追えば、発売日当日に買える確率を高めることはできるし、事前予約がどれほど重要かも痛感しています。
でも、あの駅前の偶然には、やっぱりかなわないんです。
手にした瞬間の重みとか、少し高鳴る心拍とか、あれは画面越しじゃ感じられない。そういう小さな成功が、今の自分の「ちゃんと調べて予約する」習慣につながっているんだと思います。