『スター・ウォーズ』って、私にとってはたぶん、人生で初めて“宇宙”というものを強く意識した映画だったんじゃないかなぁと思います。あれはたしか、小学校の低学年のころ。近所に住んでた親戚のお兄ちゃんが家にVHSを持ってきてくれて、なんかワクワクしながら一緒に見た記憶があります。
最初に流れ出した、あの「ジャーン」っていうテーマ曲と、星空の中をスーッと流れていく黄色い文字。あれでもう完全に心を持っていかれた、というか。物語の内容なんてちゃんと理解してなかったと思うけど、「これはすごいものを見てる」って感覚だけは、胸の奥にずーんと残ってました。
それまでの私は、宇宙っていうと“理科の教科書に載ってる太陽系の図”みたいな、ちょっとお堅いイメージだったんですけど、スター・ウォーズを見てからは一気に変わっちゃった。「宇宙って、なんかかっこいいじゃん」って、単純だけど本気でそう思いました。
ルーク・スカイウォーカーの青いライトセーバーの光や、ダース・ベイダーの呼吸音、C-3POのちょっと間抜けな喋り方にR2-D2のキュイーンって音。細かいところまで全部覚えてるわけじゃないけど、印象だけは色濃く残ってて。とくに、宇宙空間でXウイングとタイ・ファイターがビュンビュン飛び交うシーン。あれは、当時の私の“遊び方”にもけっこう影響してた気がします。例えば、家の廊下を走りながら「シュバババッ!」って自分の手でエンジン音を出したり、箒をライトセーバーに見立ててブンブン振ってたこと、いまだにちょっと恥ずかしいけど、正直なところ。それぐらい、あの世界に自分が入り込んでたんですよね。
それにしても、スター・ウォーズってすごいのは、ただのSF映画に留まらないところだと思います。宇宙を舞台にしてるけど、テーマは“親子の物語”だったり、“自分との葛藤”だったりするわけで。大人になった今、あらためて観直すと「あれ?子どもの頃には気づかなかったけど、めちゃくちゃ深くない…?」ってなるんですよ。
例えばあのころは、ダース・ベイダーが悪い人で、ルークが正義の味方、っていうくらいの認識だったけど、今見返すと、ベイダーってすごく人間らしいというか、悲しみを抱えた人だったんだなって思います。しかも、最終的に父としての姿を取り戻すっていう流れに、何度見てもグッとくる。涙まではいかないけど、心がじわっとあたたかくなるような、そんな感覚になるんです。
あとね、レイア姫がとにかくかっこよかったんですよ。お姫様なのに、自分の意志で戦ってるし、言葉遣いもしっかりしてて媚びないし。小さい頃は正直、プリンセスってドレス着て城で待ってるイメージだったから、レイアの姿を見てびっくりしたというか、「あ、こういう女性もアリなんだ!」って思えたのは大きかったかもしれません。
ちなみに、最初に見たのはたぶんエピソード4だったと思うんですけど、そのあとエピソード5や6、さらには1〜3も見て、最新のシリーズももちろん追っかけてます。でも、やっぱり一番印象に残ってるのは最初の3部作ですね。なんというか、あの粗削りな映像やちょっとチープな宇宙船の模型、そういうのも含めて愛おしいというか。
いまの映像技術って本当にすごいから、宇宙空間の描写もリアルで圧倒されるし、CGの進化ももちろんありがたいなと思うんですけど、昔のスター・ウォーズには、あの時代ならではの“手作り感”があって、それがまた独特の魅力になってるんだなって思います。
ちなみに、大学に入ってから友達と語り合って気づいたことがあるんですけど、スター・ウォーズって“どの時代に初めて見たか”で、その人の思い入れが全然違うんですよね。私みたいに小学生のときに旧三部作を見て育った人と、新しいシリーズでハマった人とでは、語り口も感想も、けっこう違ってて。でも、それが面白かったりもするんです。
誰かと「フォースって結局なんなんだろうね」とか、「ルークって本当にヒーローだったのかな」とか話してると、その人なりの人生や価値観がちょっと垣間見えるような気がして。なんか、哲学的な話になってたりもして、そこまで含めて“ただの映画じゃない”っていうのが、スター・ウォーズの魅力だなぁと思います。
今になっても、たまに夜更かししてエピソード5を一人で観たりすることもあるんです。しかも、ちゃんと部屋を暗くして、ポテチかじりながら。そんなとき、「私、子どものころから変わってないな〜」ってしみじみ思うんですよね。もちろん、人生でいろんな映画に出会ってきたし、もっとリアルなストーリーとか、心をえぐられるような作品も見てきたけど、やっぱりスター・ウォーズは、特別な位置にあるなぁって。
もしあのとき、あの親戚のお兄ちゃんがVHSを持ってきてくれなかったら、私の中の“宇宙”は今よりずっと小さかったかもしれない。そう思うと、あの日あの場所で出会ったスター・ウォーズの存在に、今でも少しだけ感謝してます。
なんかこう、自分がどこかへ行きたいとか、何かを超えていきたいとか、そういう気持ちの根っこに、スター・ウォーズの影がある気がしてならないんです。フォースの導き…なんて言うとちょっと大げさかもしれないけど、でもね、子どものころの自分にとっては、あれは本当に“魔法”みたいな作品でした。
これからも、たぶん何度も見返すんだろうな。で、そのたびに、初めて見たときの驚きやときめきを思い出して、「やっぱスター・ウォーズってすごいわ」って、また同じことをつぶやくんだと思います。