今年の秋は暑いですが、あの時の秋はやや寒かった記憶があります。
20代後半の頃に行った秋キャンプの話です。
澄んだ秋の空が、木々の葉を黄金色に染め上げます。管理人は、友人たちと共にキャンプ場へ向かう車の中で、子供の頃家族と訪れた山の記憶をぼんやりと思い出していました。あの頃の焚き火の温かさや、満天の星空の美しさが心に残っています。そして今、20代後半になり、再び自然の中に戻ってくるのも感慨深かったですね。
キャンプ場に到着すると、皆でテントを張り、焚き火の準備を始めます。ひんやりとした空気が頬を撫で、遠くからかすかに川のせせらぎが聞こえてきます。「やっぱり、自然っていいな」と心の中で呟きました。都会の喧騒から離れ、何もない静寂の中で感じる自由な時間に、少しの戸惑いと心地よさが混じっていました。
小さな頃に山と川に囲まれた田舎で育ったので、こういった自然に交じると、やってきたというより帰ってきたという感覚のほうが強くなります。
夜が更け、焚き火がパチパチと音を立てながら燃え続けていました。オレンジ色の炎が、友人たちの笑顔や、冗談を言い合う声を包み込みます。
管理人はじっとその火を見つめ、心が少しずつ過去の自分に戻っていくのを感じていました。仕事や将来の不安、責任感に押しつぶされそうになる日々の中で、この一瞬だけは、何も考えずにいられます。
ふと空を見上げると、子供の頃と同じように無数の星が輝いていた。「いつでも帰ってこれる場所があるんだな」と少し安心します。仲間の笑い声に包まれながら、幸せなひと時にほっこりしていました。
焚き火が消えかけた頃、皆で静かに寝袋に入ります。寒い夜空でしたが、とても良いキャンプだったと記憶しています。
